Fast Slot Car

No6 速い車の作り方

　スロットカーを最初に走らせてうまく走らないときにバランスウェイトを左右前後に付けてやるとうまく走るようになります。これはやはりスロットカーはある程度重さが必要だということが分かります。
　しかし、レースのレギュレーションでその辺は厳しく規制されている場合もあり、なかなかウェイトチップなどは使えないことが多いです。スロットカーはレースの時などイコールコンディションのモーターということになっているので、パワーウェイトレシオはもちろんボディーが軽い方がいいのです。立ち上がりや直線は速くなりますが、やはりコーナーでは辛くなることが多いです。できるだけ重心を下げコーナーリングスピードをあげてあげる方がスロットカーは速くしかもコースアウトしにくい走り安い車になります。

★速い車の作り方★
●速いボディーを選ぶ（１）

　本物の自動車の中でもスポーツカーやファミリーカー、ワンボックスにスーパーカーなどいろんな種類がありますが、速い車となるとやはり実車の車でも同じように車高が低くトレッドが広い車が走り安い車ということになります。
　同じような車高やトレッドだったらタイヤのアーチの大きさにとても左右されます。これはマウントの時などに、実際よりも低い車高でマウントできたり、トレッドをいっぱいまで広げることができるからです。トレッドはリアのトレッドを気にするよりもフロントの方のトレッドを基準にして考えてください。コーナーではフロントのトレッドに左右されてコーナーの安定が決まってきます。スーパーカーなどでは大きいタイヤを履くためにリアのトレッドの方が大きくなっている場合がありますが、スロットカーの場合はリアタイヤの幅も決まっていますからリアのトレッドを気にするより、フロントのトレッドがどれくらいかを常に気にしてボディー選びをすればいいと思います。
　国産のスポーツカーの中で一番速そうなくるまはアンフィニＲＸ－７や三菱ＧＴＯなどでしょうか。もちろんＧＴレースにでているＮＳＸなども速い車になると思います。

●速いボディーを選ぶ（２）

　同じ自動車をいろんなプラモデルメーカーから発売されているときがあります。こういう時はもちろんトレッドやアーチなどを参考にするのですが、それも似たり寄ったりだと思います。そういうときはやはりプラの肉厚や重さを比較して、できるだけ肉が薄く軽いボディーの方がいいでしょう。これはほんのちょっと５グラムくらい違うだけでもとても有利になったりフリになったりします。特に非力なラビットモーターなどで走らせているときなどはその重さが走行に影響するのは大きくなります。なかなかお店などでは比べられませんが肉厚やパーツの数などで判断してください。

●合法の軽量化

　スロットカーでは軽量化はレギュレーション違反なのですが、一般的に認められたもので軽量化になるものがあります。前後左右から見て見えないパーツは取り付ける必要はないですし、ガラスのクリアーパーツがフロントとリアが一体形成のものは屋根の部分は切り取ってもいいなどという暗黙の決まりがあります。もちろんレースにでるときにはレギュレーションでそれらが規制されているときがありますから、きちんと確認をとって作らなければいけません。
　カラーリングや塗装の量なども最小限にしてしまえば、ある程度の軽量化になります。サーフェイサーも吹かずに直接濃いめの色でカラーリングしたり、クリアーも薄目に吹いたりと、レースイケイケ仕様の塗装で軽量化という手もありますが、あまりやりすぎると嫌われますからその辺はばれない程度にしましょうね。練習用と称して無塗装でしかも内装もない状態の自動車で割り切って走っている方もいます。それはそれで練習だけならその方が思い入れもなく走り込みに専念できると思います。しかしあまり人前では練習といえども、やりたくないものですよね。こっそり練習する分にはいいかもしれません。

●違法改造の軽量化

　初心者の方でとりあえず走りやすくて速い車で練習したいという方のためには軽量化というのが一番の方法です。クリアーパーツはもちろん軽量のクリアーフィルムに変えて、内装はもちろんバキュームや熱転写のコピー用紙などの一番軽いもの、人形はクリアー用のバキュウム人形などで軽量化です。
　トレッドも広げちゃいましょう。自作のオーバーフェンダーを作り、見栄えをよくするためにはエポキシなどできれいにパテ盛りすれば暴走族仕様になります。フロントにはいろんなダクトを付けて、網張りをすればそれだけでも軽くなります。トレッドを広げるまでもなく、ホイールアーチを大きくしてやるだけでも車高を下げることになるので、走り安くなります。プラモデルだけで１５グラムを切るようなボディーになったらそれはもう軽いボディーの中では一番軽いものになるでしょう。これでギンギンに練習すれば速くなることまちがいありません。

●走りやすいタイヤ、シャーシ

　これもレースでは厳しく規制されていますが、初心者の練習用としてはできるだけ有利なものにして走り出してみましょう。タイヤはスケール感からすると大きなものになりがちなのですが、ここは見栄えは二の次として走りにこだわるなら小さいものにしましょう。あまり小さくても最近はホイールも大きくなってきましたから、スポーツカーでは２４ミリ以下のタイヤがいいのではと思います。
　昔はマグホイールと呼ばれるとても軽いホイールがありましたがこれも最近では入手できなくなってしまいました。これは普通のアルミホイールよりはすごく軽いもので、４つ全部変えると５グラム以上の軽量化になりました。ちょっと強度が弱いのが難点でしたが、昔はレースには必ずこれで出ていました。お店でまだ売っているものがあれば是非１セットはほしいものです。
　シャフトも純正部品ではなくラジコン用のカーボンシャフトならその重量は本当にわずか数グラムになるので、軽量化と駆動系の負担を減らしてくれることになります。ラジコン用のものを自分で切って使用するのですが、けっこうもろいので、長く走っていたり、ギアのかみ合わせが悪かったりするとギア抜けの原因になることがあります。ですから、使うときは細心の注意が必要だと思います。
　今入手できるシャーシで一番走り安いのはやはり、プラフィットのエクセルシャーシになると思います。昔のプラフィット��やさかつうコンペシャーシはちょっと速く走るにはポテンシャルが低いので、走りにこだわるならここはやはりエクセルシャーシということになると思います。それにモーターはプラモデル用としては一番はやいチーターモータを使えば直線も速くなりますよ。
　最近は自作シャーシを使って走らせている方はあまり見なくなりましたが、昔はけっこうたくさん走っていました。プラフィット��の時代にはサイドワインダーの速い車を作っている方もいましたし、フロントタイヤを独立にして、スイングアームのようにガイドとリンクさせて左右に動くようにしたものなどいろいろとありましたが、今のエクセルはそれらの自作の速いシャーシよりも作りやすくしかも速くなったのではないでしょうか。

●バランスウェイト

　ボディーの方をとことん軽量化したら、重心を下にしてやるためにはシャーシの方をバランスウェイトなどを使って、重くしてやりましょう。
　最初にマウントなのですが、これもれっきとしたウェイトになっていますから、いろんな種類のマウントがありますから、その車に一番有利なマウントにするようにしましょう。プラフィット純正のアルミマウントはレースのレギュレーションで決められている以外は別に使わなくてもいいです。重心の低いマウント昔でいうとＡカーマウント，Ｃカーマウントなどで、今ではそれらがすべて入っている、ユニバーサルマウントと呼ばれるものです。これで左右にウェイトを載せたことと同じになり、コーナーリングは安定します。
　昔のプラフィット��では前後の重量バランスはイコールが基準でしたが、その時代の走り方と比べると、最近のスロットカーはリアに重心が多めの方が、今の流行りになっています。自分の自動車の状態にも寄りますが、これは走りながら前後にウェイトを乗せ変えて、走り安い重量バランスにしてください。もちろんウェイトチップを付ける場所は重心の低いところで、ボディーになんか付けるとせっかくの軽量化がフイになってしまいますからご注意を。

●オプションパーツと消耗品交換

　走りにこだわり、物量作戦で望める裕福な方はとことん消耗品と呼ばれるものを交換して常に速い状態で走りましょう。モーターは毎日ニューモーターに変えることはもちろんです。ブラシも柔らかいソフトブラシの方はブラシセッティングはちょっとむずかしいですが速さには有利です。これも耐久性から比べると普通のブラシの方が長持ちするのですが、ちょっとすり減ったらどんどん変えていつも一番接点がきれいな状態にしましょう。タイヤは消耗品の中に入るのですが、これは走り込んだタイヤの方が走り安くなってきますから、変え時がむづかしいです。レースに出ないのなら、すり減って小さいタイヤになっても問題にないのでタイムが落ちるまでそれで走っていいと思います。
　他にはモーターのコードを太いものに変えるとかなどでしょうか。もちろん速くなると思われるオプション部品はとことん投入してオプションてんこ盛りにしてください。フロントボールベアリングはもちろん、グラファイトガイドなどに交換することは速さ追求にはもちろん当然のことです。

●チェーンナップコントローラー

　コントローラーも速いものがあります。もちろんオーム数の低いもので操作すれば立ち上がりはとても速くなります。２オーム以下のピーキーのコントローラーをうまく捜査することが出来ればあなたは初心者を脱して、もう一人前のスロットレーサーです。もちろんブレーキも強烈なので、コーナーはつっこめるだけつっこめます。そこでタイムを稼いでください。

●それでも速くならなかったら

　それでも速くならなかったらまた日を改めて出直しましょう。ジョークではなく、サーキットも生き物ですから日によって走り安い日と走らせ辛い日があります。サーキットの電圧だってその日の中で微妙に変化します。自分の車がたまたま今日のサーキットの状態に合わなかったとしたら、また日を改めてきてみるとまれに別物のように速くなることがあります。その日のサーキットのコンディションを分かるようになるまではけっこう時間がかかるかもしれませんが、その店の掃除のローテーションやレースの開催日程などである程度想像できると思います。

●あとがき

　人より速く走りたいと誰もが思うと思います。一人で走っていたらとても速い人でもレースになると人の車が気になって自分のペースで走れなくってくやしい思いをしたという経験がある方もいると思います。それはやはり恥ずかしがらずに練習でも人と一緒に走る経験を積めばうまくなります。練習の時は空いていない時をのぞき、ひとつコースを隔てて走れば接触することなく走れるので一緒に走らせても大丈夫だと思います。

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